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最終的にはテレビのオーディション番組『君こそスターだ』で7週勝ち抜いて、デビューしました。でも、本当のきっかけは、駅のホームで見かけたとある看板でした。町の文化センターの看板があって、そこの建物に渡辺プロダクションの名古屋校があるというのが目に入ったんです。昔から歌は好きで歌手への憧れはあったのですが、周りには恥ずかしくて歌手になりたいとは言えませんでした。でも、ちょうどホームにあった看板を母と一緒に見ていて、芸事が好きな母に「歌とか民謡とか身体にいいんだよね」と何気なく誘い、文化センターへ行くことに成功しました(笑)。その流れで渡辺プロダクションのスクールに行くと、ちょうどその日が入学オーディションの日だったんです。終わった後でしたが、ご厚意で受けさせて頂きました。何も準備せず即興でおこなったものだったので、受かるとは思っていなかったのですが、後日合格通知をもらって。それが芸能界デビューの本当のきっかけです。あの看板を見ていなければ、今の私はいなかったと思います。
母子感染によるB型肝炎が発症したと知った時は、驚きました。まさか自分がなるなんて思ってもみなかったものですから…。
ちょうど病気だと分かる前、初めてミュージカルに挑戦している時でした。なかなか抜けない疲れを、プレッシャーやストレスのせいだと決めつけて、お稽古に打ち込んでいましたが、その時めまいで倒れてしまって。めまいの原因は別のことでしたが、この時血液検査を受けてB型肝炎が発症したのだと分かったんです。病院の先生に「あなたは仕事が大事ですか、それとも命が大事ですか?」と聞かれて、私はすぐ「元気になりたい、生きたい」と思ったので即入院。そのため、あんなにお稽古したのにそのミュージカルの舞台には結局立てませんでした。
約一ヶ月半の入院の後、自宅療養が一年続きました。色々な人に支えて頂きましたが、その中でもひとりじゃないんだ」と思ったのは、今の夫のおかげです。その時はまだ彼とは結婚してませんでしたが、彼は病気後も病気前と全然変わらずに接してくれました。当時、B型肝炎は誤った認識をされていた病気でした。そばによったり、握手をしただけでうつるなど、変な偏見のため、嫌な思いをたくさん経験してきましたが、彼は一緒に病気に立ち向かってくれたんです。いつも自然で、元気と笑いと勇気を与えてくれて。そのおかげで私はもっと積極的に生きていきたいと前向きな気持ちになりました。
病気になった後、しばらくは何で私がこんな誤解や偏見のある病気になったんだろうと思いましたが、途中でふとこういう思いで生きていくのは辛いなって気づいたんです。生きているのだから、笑顔でハツラツとした日々を送りたい。しっかりと現実を受け止めた上で、自分には何ができるのだろうとある日を境に思うようになりました。そうすると、心の中にかかっていたカーテンが、サーッとひらいたようなそんな感じがしたんです。できないことを見て悔やむよりも自分ができることをしていった方がいいですもんね。
こういう思いに至ったのも、病気を経験したから。病気は今では私の人生に欠かせないものの一つ。この経験があったからこそ、他の人の苦しみや辛さがほんの少しかもしれないけど分かるようになったと思います。どんな苦しく、悲しいことでも、無駄なことなんて一つもないんです。その経験が一歩自分を成長させてくれるんだと思います。
私は今でも通院していますが、病気はほんとに辛いことが多いと思います。でも、メンタル的なことで得るものもたくさんあります。例えば、誰かに対する感謝の気持ちや思いやりなど。生きるうえで大切な事に気づくこともできると思いますので、悲観的にならず前向きな気持ちでいることが大事だと思います。
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